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『小公女Zセーラ』

 投稿者:広島県のT  投稿日:2009年 8月27日(木)07時16分47秒
  ◇セーラ◇
小公女Zセーラです。肩に止まっているのはフェアリーのアンジェレッタ!
川村万梨阿さんと言えば妖精よね!

◇ミンチン院長先生◇
みなさんは、この栄えある「ミンチン・ティターン学院」によく入学されました。
この学院は、エリートこそ、人類の指導者たるべくという信念のもと、作られた学院です。
みなさんは、新なるエリートとして、地球ならびに、宇宙移民をも指導し、支配するリーダーとならねばなりません。

◇ロッティ◇
ああ、長い演説だったあ。
私お家に帰りたくなっちゃった。

◇セーラ◇
まあ、ロッティたら!
でもあの演説を聞いていると心配になってきたわ。
一部特権階級の支配する世界を作ろうとしているように感じるわ。

◇アーメンガード◇
セーラ。
長い演説だったわね~。
私眠たくなってしまったわ。ウフフ。

◇ラビニア◇
あら、アーメンガード!
そんなことではこの学校ではやっていけないわよ。
今のうちに学校を変更したら?

◇セーラ◇
ラビニア!

◇アーメンガード◇
そんなこと言ったてラビニア、お父さんがどうしてもここに入りなさいって・・・。

◇ラビニア◇
まあ、いいわ。
どうせ落ちこぼれは退学になるのだから!
セーラ!
あなたも気をつけることね。

◇アンジェレッタ◇
ほんと、嫌なやつ!べーッだ!

◇セーラ◇
アンジェレッタ起きていたの?
まあ、お行儀悪いわよ。

◇アンジェレッタ◇
(アンジェレッタ、セーラのポケットから飛ぶ。)
でもセーラ、本当に嫌なやつだよ。
なんか悪意が伝わってくるもん。

◇セーラ◇
ラビニアはいじわるだけど、本当の悪人ではないと私は思うわ。
さあ、それより教室に入りましょう。

◇アメリア◇
みなさんは、この学園の中でもトップクラスのエリートです。
これからは、ミッチリと正しい思想教育をおこなって行く予定です。
いいですか!エリートこそ、人を導くのにふさわしいのです。
エリートは特権階級である以上、率先して下々の人たちの先頭に立って戦っていかねばなりません。
これこそ、コスモバビロニアの建設なのです。

◇ラビニア◇
(ラビニア、ニヤッとして)
先生!私、そのために学院にどんどん貢献したいと思います。

◇アメリア◇
まあ、ラビニアさん立派です。
お父様にもよろしくお願いしておいてね。

◇アーメンガード◇
やっと終わったわねセーラ。
でも内緒だけど、この学校変よ!

◇セーラ◇
わかっているわ、アーメンガード。
私は別の目的で・・・!

◇アンジェレッタ◇
おっとセーラ!話はそこまで!

◇アーメンガード◇
えっ、何?セーラ?

◇セーラ◇
えっ、なんでもないのよ、アーメンガード!

そうです。私には別の目的があったのです。
この学院に侵入したのもそのためだったのです。
-続く-

初めまして。この話は僕がよくコメントしている、「世界名作劇場」の掲示板にコメントしたものです。せっかくですから、ここにも投稿しちゃおうということで投稿しました。
続きはいつになるか不明です。(笑)ちなみに続編は「愛少女ZZポリアンナ物語」です。ラビニア様がラスボスです。セーラはミンチン院長の精神念波で精神を壊しますが、ポリアンナのよかった探しで治っていきます。最後のラビニアのセリフは「よかった!強い子に出会えて!」です。(笑)
 
 

メイド服

 投稿者:霧人  投稿日:2008年10月 1日(水)18時54分34秒
  お嬢さま時代のセーラのお話しです。   「ねえ マリエット」 セーラは、髪の毛をとかしてくれるマリエットに尋ねた。 「何でしょう。お嬢さま」 「モーリーさんってメイド頭でマリエットさんの上司なのよね。」「そうですが。お嬢さま」 「モーリーさんってメイド頭なのにマリエットさんのようにメイド服を着ないのはどうしてかしら?」 「・・・(冷静に) お嬢さま メイド服姿のモーリーさんを見たいですか?」 「う~ 見たいような 見たくないような~ やっぱり見たくない! 想像したら気持ち悪くなってきたわ。マリエット」 「そういう事ですわ。 お嬢さま」 fin くだらなくてすみません。(霧人)  

祈り

 投稿者:霧人  投稿日:2008年 8月 6日(水)01時22分37秒
  第二次世界大戦も終ろうとしていた頃
1945年8月6日英国ロンドン郊外セーラ邸にて       ベッキー
「大変でございます。お嬢さま!」
セーラ
「どうしたの?ベッキー?」
「日本の広島に原子爆弾が投下されたのでございます。戦争ももう終わりますね。」
「たくさんの人が亡くなられたのでしょうね。可哀想に。」
「ラジオによると広島の街は、壊滅して10万人の人が亡くなったとか」
「ベッキー祈りましょう。世界中に戦争や争い事がなくなりますように。」
「はい お嬢様」
その後8月9に長崎にも原子爆弾が投下され8月15日に日本が連合国に無条件降伏した。「祈りましょう。ベッキーもう戦争が起こりませんように。争い事が起こりませんように」
「はい。お嬢さま。」fin
 

「ポルフィの長い旅」13.5話 その3(完結)

 投稿者:はいじま  投稿日:2008年 6月23日(月)21時26分10秒
   こんばんは。やっと完結しました。
 うまく話が落ちたかどうか分からないけど…最後まで読んでいただけば分かるのですが、14話以降との整合性を合わせようとするとやはりミーナにとってセーラは救世主にはなり得ませんでした。
 ポルフィの旅の最中にセーラに会わせるストーリーもいいかなと思ったのですが、そうするとミーナが出てこないので…。

(以下本文)

 夜になった。ポルフィとミーナは救護所のテントのすぐ外で向かい合っていた。
「セーラさんは言ってた、地震の前に自分が何になりたかったか、どうするつもりだったか忘れちゃいけないって。自分が他のものになっちゃいけないって。」
ミーナは軽く頷いた。
「これって、天国で母さんが僕たちに言っていることかも知れない。」
ミーナの顔は一瞬曇ったが、兄の話を聞き続けた。
「だから僕、決心した。お父さんの自動車修理工場を今度は僕がやる。いつになるかわからないけど、そのために僕は働くよ。」
ミーナは表情を全く変えず、黙って兄の顔を見ていた。
「ミーナ、お前がどうしたいかはゆっくり考えていいからな。」
ミーナは頷くと、静かにあの誕生日に歌った歌を歌い出した。
「上手いよ、ミーナ。お前の夢は歌ったり芝居をする人になる事だったな。」
ミーナの表情に、両親の死を知らされた後初めての笑顔が過ぎった。

 救護隊の朝は早かった。避難民が朝食を食べる頃にはもう何人かは次の救護所へ向かっていなくなっていた。
 セーラが出発すると聞いて、ポルフィとミーナは走ってきた。あの地震以来、ミーナがこんな勢いで走ったのは初めてだ。
「昨日はありがとう、セーラさん。おかげで僕は自分を取り戻すことができたよ。僕は決めたんだ、父さんの修理工場を作り直すって。」
「あなたはきっといつかお父さんの修理工場を作り直すことが出来るわ。その日まで何が何でもミーナを守って生き抜くのよ…」
 そう言ってミーナの顔を見たセーラは一瞬凍り付いた。ミーナが何かにすがるような表情で自分を見ているのだ。まるで「お母さん、行かないで…」と訴えているように見えた。セーラはそのミーナの表情を吹っ切るように、トラックに向かって歩いた。
「ポルフィ、ミーナ、自分を失わないで生き抜くのよ。」
「セーラさん、さようなら。」
 セーラを乗せたトラックが走り出した。ポルフィは笑顔で手を振っているが、ミーナの顔は深い悲しみの表情をしていた。ミーナはセーラと母親を重ね合わせ、セーラを本当の母と錯覚していたのかも知れない。そんな母が私を置いて何処かへ行ってしまったと思い込んでしまったようだ。
 トラックが見えなくなったところで、ポルフィはそんなミーナの様子に気付いた。彼はしばらく、妹にどのような声をかけていいのか分からなかった。

 セーラを先頭にした救護隊はポルフィ達がいた教会を離れ、次の救護所を目指してトラックを走らせていた。ほどなく、一行は壊滅状態となったシミトラ村に達した。
「セーラ様、この村の人々は全員隣村に避難しているとのことなので通過します。」
「分かったわ。」
(ここがあの子達が住んでいた村なのね…)
 トラックが隊列を組んで村の街道を通過する、街道沿いに壊れた建物と倒れた「パタゴス大ステーション」の看板を見つけたセーラは後続のトラックを先に行かせ、自分はここでトラックを降りた。
 破壊された家の前に立ったセーラは祈りを捧げた後に言った。
「パタゴスさんと奥さん、ポルフィはもう大丈夫ですが、私はミーナが心配です。あの二人を天国から見守ってくださいね。私の両親と一緒に…」
 セーラはトラックに戻ると、隊列に追いつくべくトラックを急がせた。と思うと今度はある家の前で止めさせた。村の有力者が住む家だったのだろう、1階にガレージを備えた立派な家は無残にも破壊され、瓦礫の中で立派な車が潰されているのも見えた。だがセーラが見つけたのはそれではない、瓦礫の中に1体の人形を見つけたのだ。
(ここにも女の子がいたのね。私がエミリーを大事にしていたようにその子もこのお人形を大事にしていたんだわ、その大事なお人形が瓦礫の中に置き去りって事は…)
 セーラはそっと祈りを捧げた後、人形を抱きかかえてトラックに乗った。そして走り出したトラックの中で、その人形を抱きしめて涙した。

 セーラと出会って以来、ポルフィは自然な表情で立ち回ることが出来た。そしてさらに精力的に妹の世話とザイミス親子の手伝いに力が入っていた。その変わり様は周囲にいた大人達を驚かせた。無論、彼は両親のことを忘れたわけではない。悲しみを乗り越えようと前に進み始めたところなのだ。
「僕はまた修理工場をやるんだ…そのためには家に行って父さんの工具を持って来なきゃ…」

 対してミーナは、セーラが去るとまたふさぎ込んでしまった。彼女は「母に似た女性」が近くにいるだけで安心感を感じていたようだが、その人がたった1日でいなくなったとき、また母を喪ったような悲しみに心を支配されてしまったのだ。そう、ミーナにとってはセーラが近くにいて心を癒してくれる時間はあまりにも短すぎたのだ。
 こうして、兄妹の心のズレが少しずつ開いていくのだ。このズレが、今後この兄妹にさらに過酷な試練を与えることになる。

 今日もギリシャの空は青く、とても明るかった。

…ポルフィの長い旅14話「ぼくはミーナを守る」に続く。

http://haijima-yuki.com/old_anime/index.htm

 
    (丘田けん) 彼ら兄妹の心の中から永遠に消えることはな
いでしょう、やさしかった両親のぬくもりは。
そして兄妹は忘れることはないでしょう、
セーラ嬢の熱い心を。

どのように苦しい試練であっても、ポルフィ
なら乗り越えて行けるでしょう。いつもセー
ラ嬢とお母さんが見守ってくれている。
ポルフィ、何かあったら思い出せ、セーラ嬢
が言った「他のものになっちゃいけない」を。

そしていつの日か、また家族四人で笑いあえ
る日がきっとくる。

ポルフィ、ミーナ、セーラ。この奇跡の出会
いを美しく演出してくださった、はいじま様
に、改めてお礼申し上げます。
 

「ポルフィの長い旅」13.5話 その2

 投稿者:はいじま  投稿日:2008年 6月 5日(木)00時23分12秒
   こんばんは。
 では続きです。誰にでも思い付きそうなネタになってしまっていますが…ちなみに展開上、やむを得ずセーラの年齢を20歳程度ずらしました。設定通り行けばセーラは80歳近くになってしまうんで…それではやはり不自然ですね。

(以下本文)

 今日は救護所での仕事は全部この救援隊がやってくれる。ここにいる難民達…特に子供達は暇になった。大災害を見せつけられた子供達は退屈だからと外を走り回るようなこともせず、ただ救護テントの中で不安に怯えているだけだった。子供達は自然に近い場所に集められていた、それはまるで何かに仕組まれているようだった。
 そこへセーラが現れた。
「あなたたちはお父さんとお母さん、それに親戚や友達を亡くして悲しくて不安なのだと思うわ。私もお父様が亡くなったときのそうだったからあなたたちの気持ちはとてもよく分かるの。私は4歳の時に母を亡くし、10歳の時に父を亡くしたわ。父が亡くなると同時に破産して、私はその時にいた寄宿学校で何不自由ない特別生徒だったのだけど、いきなりボロの服を着せられて下働きをさせられることになったの…」
彼女は独り言のように自分の身の上を語りだした。自分も幼い日に両親を失ったという話と、それによって大金持ちの娘から寄宿学院の下働きへと身分が変化し、苦労させられた話である。
 この話が始まると、ミーナは話を熱心に聞くというよりもセーラをじっと見つめているという様子であった。対するポルフィは最初、無関心を装っていたが話を聞くうちに他の子供達同様に彼女の話に引き込まれていた。
 話は苦労したことばかりでなく、その間に起きた出来事を面白おかしく話して辛い状況の中でも生きて行く術を伝えようとしているようだった。そして下働きだった少女時代の彼女が、自分の部屋に割り当てられた屋根裏で友とパーティをしようとした話になった、そこを宮殿のように見せるために彼女も想像するようにと宮殿の様子を語り、「ベルサイユ宮殿のつもり」に皆を引き込もうとした。
「さあ、みんな想像してご覧なさい。ここはベルサイユ宮殿の大広間なのよ、床にはふかふかの絨毯が敷き詰められている。天井にはシャンデリア、ここは宴会の大広間、私たちは美しい次女なのよ。円天井で吟遊詩人の歌う舞台もあり、樫の木の燃えている大きな炉もある。そして四方にロウソクをともしてキラキラ輝いている…」
「お母さん…」
「母さん…」
ミーナとポルフィがほぼ同時に小さな声を出した。隣にいたザイミスも思わず二人の顔を見た。二人の脳内には、ミーナの誕生日に母が遺跡で語ったあの日の言葉が再生されていた。あの時と語り方が全く同じなのだ。
(想像してご覧なさい。あの石の柱が全部揃っていて、大きな屋根が載っている。神殿や音楽堂、広場に市場まであったの。ここは劇場だったのよ、今ミーナが立っているところが舞台の真ん中。この辺は全部客席。目をつむってご覧なさい、想像して…舞台の周りにはたいまつが焚かれて、眩しいくらいの光が溢れているの。観客席にはたくさんのお客さん…)
 ポルフィの脳の中に、母の記憶が怒濤のごとく流れ込んできた。母の声に姿…ポルフィの記憶の中にある母の感触が急に蘇ってきたのである。ポルフィは下を向いて唇をかみしめ、必死に涙を堪えていた。ミーナも同じように母の感触を思い出していたが、ミーナはただ呆然と語り続けるセーラを見つめるだけだった。
 セーラはセーラで語りながらもこの兄妹に何かしらの変化があったことに気付いていた。でも話を止めるわけにも行かず、気になりつつもどうにも出来なかった。そう言えばバーンズがいつも通りの話をすれば会わせてくれと言い出すと言ったのを思い出した、まるでこうなることが分かっているかのように…今はそれを信じて後で話をしてみようとセーラは考えた。

 ポルフィはミーナの手を引いて教会のドアを叩くと、エレナが対応に出た。
「ポルフィ、ミーナ、どうしたの?」
「セーラさんに会わせて。僕、あの人と話がしたい。」
ポルフィは力強く言った。
「私に何の用かしら…」
セーラが部屋の奥から出てくると、二人はセーラに抱きついた。
「二人とも、どうしたの?」
「そっくりなんだ、そっくりなんだ。母さんに…」
ポルフィが涙声で言い出した。セーラは驚いて自分に抱きつくポルフィの姿を見た。兄妹揃って目に涙を浮かべて、セーラの顔をじっと見ている。
「セーラさん、そっくりなんだ。声が、声が…。声だけじゃないんだ、姿も、臭いも…母さんに。」
セーラは戸惑った。今まで多くの子供達に話をしてきた、その中には自分に礼を言うために抱きついてきたり、母を思い出して抱きつく子供達には何人か遭遇していた。だが「そっくりだ」とまで言われたのは初めてだった。
(この子達のお母さんはそんなに私に似ているのかしら? バーンズ大尉が言っていたのはそういう意味なのかしら?)
「わかったわ、今はあなた達のお母さんだと思っていいのよ。思う存分泣いていいわ。」
 兄妹はセーラの胸の中で、気が済むまで泣いた。

(つづく)

http://haijima-yuki.com/old_anime/index.htm

 

「ポルフィの長い旅」13.5話 その1

 投稿者:はいじま  投稿日:2008年 5月31日(土)17時55分32秒
   丘田けんさま、ここでははじめましてです。
 ひと月ほど前に思いついたお話です。自分のサイトに載せようかとも思いましたが、今回はこちらに投稿させていただきます。
 同じような物語を思い付かれた方は多いと思いますが、ご覧くださいませ。なお、まだ後半が未完成なので、数回に分けて投稿させていただきます。

(以下本文)

 あれから何日が過ぎたのだろう。
 いや、まだ数日と経っていないはずだ。
 でもあの日以前のことが全て夢だったように思える。青い空と遠くに輝く海、緑の山々、山羊の鳴き声、修理工場の油の臭い、何よりも両親の温もりと優しさ、それと修理工場に詰まっていた夢。
 その全てがあの地震をきっかけに消えて無くなってしまった。地震は一瞬で家と工場を奪い、両親を奪い、大切な妹の心さえも奪っていった。
 ポルフィは必死だった、両親を失って表情を失ったミーナを世話するだけではない、赤ん坊を抱えた友ザイミス親子の手伝いに奔走していた。両親の死を悼む余裕もなく、ただただ忙しく時が過ぎていた。
 それでも夜になり辺りが闇に包まれると、彼は両親を失った悲しみと、これからどうなるのかという不安に同時に襲われ、眠れない日々が続いていた。今まで何を考えていたかなんてもう考える余裕もなく、大好きだった自動車に目を奪われることもいつの間にか無くなっていた。

 ある午前のことだった。
 イギリスのある大企業がポルフィ達のいる救護所に救援物資を届けに来たのだ。トラックに一杯の食料や衣類などの物資を積み込み、彼らは物資を届けるだけでなくテントを張り直したり、難民達が使っていた毛布を洗濯したりという活動を展開した。この人々は日替わりで救護所を周り、ここで一泊して翌日には別の救護所へ行くという。
 その救援隊を陣頭指揮する一人の女性がいた。もう60歳近い年頃の女性だが、端正な顔立ちに年齢を感じさせない黒髪が印象的だった。指示を出す声も歳を感じさせないほど美しく透き通った声で、その声には世の中の何もかもを知っているような威厳もあった。
話によるとその女性はその企業の先代の経営者だという。人々の噂話ではインドの大鉱山の経営に成功し、その資金でイギリス本国に戻って学校経営事業を興したという。そしてこのような災害や戦争で多くの子供が親を失ったと知ると、いてもたってもいられずにすぐに救援活動を行うのだという。さすがに大戦中はその活動も限定的だったらしいが、それでも行ける範囲の場所で救援活動を行い、人々、特に子供達に勇気と力を与えてきたのだという。

 そんな彼女をポルフィはあまり歓迎していなかった。「どうせ金持ちのお恵みだろ」と冷めた目で見ていたのだ。彼女を最初に見たとき、まさかこの女性が自分にとって重大な決意をさせる人物になるとは思っていない。

 この救援隊を見て明らかに変化があったのはミーナの方だった。昼食を配膳するこの女性をじっと見つめるようになっていたのだ。ポルフィはこの変化に気付かず、ミーナの分の昼食を持って来て
「ほら、昼ご飯だよ、一緒に向こうで食べよう。」
と声を掛けた。だがミーナは無言のまま、昼食を配膳する彼女をじっと見つめたまま動こうとしない。その表情も両親の死を知って以降の無表情ではなく、何か無くした物を探しているような表情に変わっていた。
「どうしたんだよ? なんか今日のミーナおかしいぞ。じゃあここで食べようか。」
優しく声を掛けると、ミーナはその場に腰を下ろして食事を受け取った。だが彼女の方から視線を逸らそうとしない。
 昼食の配膳作業が終わると彼女の姿は教会の中に消えてしまった。ミーナはそれを追いかけようとしたのか立ち上がった。
「お前どうしたんだ? あの人が気になるのか?」
ポルフィは声を掛けたが、ミーナは無表情に戻ってそのまま座り込んでしまった。

 教会の中ではその女性がバーンズ大尉と親しく話をしていた。
「今回もすぐ飛んでくると思いましたよ。お久しぶりですね。」
「バーンズ大尉こそ、ここでの救護活動では米軍の中で一番乗りだったそうじゃないですか。」
「いや、今回は被災地にちょっと気になる人たちがいるのでね。私も熱くなって上司に早く行かせろとせがんだのですよ。一緒に活動するのはギリシャ内戦の時以来だね。」
「そうですわ、大尉は軍人よりも別の仕事をされた方がお似合いだとあの時は思いましたが、今はその気持ちがいっそう強くなりましたわ。」
「ハハハハ、私はこの通り根っからの軍人ですよ。でも今回だけはどうしても気になる子がおりましてね…かなり私情も入ってますよ。」
「大尉のそんなところが軍人に向かないのですよ。ところで気になる子って、娘さんの友達でもいたのですか?」
「いや、こっちへ来て知り合った子なのですが。我が部隊の指定自動車修理工場になってもらっている家の子なのです。パタゴスさんと言うのですが…残念ながらそのパタゴスさんと奥さんは亡くなってしまって、子供さんだけが助かったのだが…」
「まぁ…」
「その子供さんが兄と妹の二人姉弟なんです。兄は両親の死を受けて入れて涙も見せずに頑張っているのですが、妹の方があの地震で両親の死を知って以降…表情もなくなって何もしゃべらなくなってしまったのですよ。」
「それはいけないわ。でも私には何もできませんわ。」
「いや、あなたの声を聞かせるだけであの二人は変わるんじゃないかと期待しているのですよ。」
「でも私はその子達のこと知りませんし、何しろ他の子の事も考えないと…」
「いや、あの兄妹…ポルフィとミーナって言うのですが、多分いつものようにあなたが身の上の話をしたら、あなたに会わせてくれって言いますよ、その時は相手してやって欲しいってそれだけです。」
「意味が分かりませんわ。」
「とにかくその時はお願いします。ではいつものようにやってください。私もあなたの話が大好きで早く聞きたいですよ、セーラさん。」

(つづく)

http://haijima-yuki.com/old_anime/index.htm

 
    (丘田けん) はいじま様
ご投稿ありがとうございます。
大地震に見舞われた兄妹二人、あまりにも過
酷な人生の試練がポルフィたちを襲いました。
うちひしがれているそんな二人に救世主さっ
そうと登場!?
可憐なお嬢さまの晩年を描いてくださった、
はいじま様の注目すべき今作品。
第二話以降も絶対目が離せません。
 

クルー家の誇り

 投稿者:霧人  投稿日:2008年 3月15日(土)06時56分24秒
  (丘田さま こんにちは 以前のを少し変更しました。)

残雪の残る2月のある日、クリスフォード氏は、居間でボリスとくつろぐセーラに以前から思いつめていた事を切り出した。
「なぁ?セーラ・・」
「なに おぢさま、何でもおっしゃて」  「言いにくい事で気を悪くしないで聞いてほしいんだが・」
「なに おぢさま?」
「セーラの名前つまり姓名の事なんだよ。私は、言うまでもなくセーラを自分の娘として立派なレディとなるよう育てたいと思っている。つまり名前をセーラ・クリスフォードと改名する事を承諾して欲しいのだ。しばらく考えてから返事をもらえないだろうか?」
クリス氏は、一気に捲し立てた。
セーラは、にっこり笑うと
「その事は、私も前から考えていました。クルーという姓名には、お父様お母様との思い出が詰まってますもの。養女となってもクルー家の名前を捨てるつもりは、ありません。・・・セーラ・クルー・クリスフォードと改名しようと思いますの、どうおぢさま」

クリスフォード氏は、力無く笑った。セーラは、さすがあのラルフと私が、身を焦がすほど恋い焦がれたフランソワーズの娘なのだと思った。

Fin

http://kirihito.at.webry.info/

 

ミリタリーセーラ

 投稿者:霧人  投稿日:2008年 3月13日(木)19時57分50秒
  つらい仕事の日々 今日もモーリーにこき使われクタクタになり、セーラは、屋根裏部屋に帰ってきた。
クタクタになりながらもセーラは、机の中からワルサーPPKを取り出し目隠しで通常分解・組立を行った。
昨日より1秒ほど時間短縮できたセーラは、満足し、フランス語の勉強に取りかかった。
自分を支えるため銃の整備とフランス語の勉強を続けるセーラであった。

将来 フランスの外人部隊に入隊するために
Fin
 

クルー家の誇り

 投稿者:霧人  投稿日:2008年 2月11日(月)10時18分6秒
  残雪の残る2月のある日、クリスフォード氏は、居間でボリスとくつろぐセーラに以前から思いつめていた事を切り出した。
「なぁ?セーラ・・」
「なに おぢさま、何でもおっしゃて」  「言いにくい事で気を悪くしないで聞いてほしいんだが・」
「なに おぢさま?」
「セーラの名前つまり姓名の事なんだよ。私は、言うまでもなくセーラを自分の娘として立派なレディとなるよう育てたいと思っている。つまり名前をセーラ・クリスフォードと改名する事を承諾して欲しいのだ。しばらく考えてから返事をもらえないだろうか?」
クリス氏は、一気に捲し立てた。
セーラは、ムッとして「その必要は、ありません!」
「それは、考える必要が無いと言うことかね。」
「そうです。セーラと同じ位クルーという姓名にもお父様お母様との思い出が詰まってますもの。養女となってもクルー家の名前を捨てるつもりは、ありません。その事は、私も考えてました。」
セーラは、ニコリと笑うと
「セーラ・クルー・クリスフォードと改名しようと思うの、どうおぢさま」
クリス氏は、力無く笑った。セーラは、さすがあのラルフと私が、身を焦がすほど恋い焦がれたフランソワーズの娘なのだと痛感した。

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 投稿者:  投稿日:2008年 1月30日(水)15時13分34秒
   

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