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セーラが貧乏にならなかったら

 投稿者:マーブル  投稿日:2010年 6月23日(水)16時47分53秒
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  誕生日。
ラ「セーラ」
セ「なあにラビニア」
ラ「あなたのこと、今日でもっともっと嫌いになったわ」
セ「どうして」
ラ「それはね・・・」
ロ「セーラママーセーラママー!」
セ「ロッティ!」
ラ「こういうところが嫌なのよ」
セ「え・・・」
ラ「話している途中の子を放ってっておいて、仲のいい子の所へ行ったり。おかしいと思わ  ない?私のお母様なら・・・」
セ「そんなこと、あなたが決めなくてもいいと思うわ」
ラ「そうかしら」

翌日。
授業が始まろうとしていた。

ラ「院長先生!」
院「なんですラビニア」
ラ「昨日、セーラが私の本をとったんです!」
院「なんですって!」
セ「ちがいます!」
院「セーラ、嘘はいけません」
セ「嘘じゃありません!」
ラ「じゃあそれはなによ!」
セ「え・・・」
ラ「その本、裏に『ラビニア・ハーバード』って書いてあるけど」
セ「え・・・まあ!」
院「セーラさん、いいと思っているのですか」
セ「そ、そんな・・・」
ラ「院長先生。いいんです」
院「なんですって」
ラ「セーラは、たまのいたずらのつもりだったんでしょうね。つ・も・り」
ジ「セーラの得意なつ・も・り」
ア「ラビニア、ジェシー、それはないわ」
ラ「うるさいわね!だいたいセー・・・」
デ「どうしたのかな、マドモアゼル」
ラ「デュファルジュ先生!」
セ「授業をお願いします」
デ「もちろんです、マドモアゼル・セーラ」
当たり前だが、セーラがラビニアの本を取ったのではない。ラビニアが、セーラの机に忍ばせたのだ。

翌日。
ア「セーラ、今日の夜、お部屋に遊びに行ってもいい?」
セ「いいわ、でも、院長先生に見つからないようにね」
ア「まあ、怖い」
セ「ベッキーも来るはずよ」
ア「ベッキーって、あのベッキー?」
セ「そうよ、私のお友達」
教室の隅で、ラビニアはニヤリと笑った。その事も、院長先生に告げ口しよう。そうだ、ちょうどあの2人がセーラの部屋に来た頃に・・・

その夜。
セ「ベッキー、アーメンガード、今日は来てくれてありがとう」
べ「いいえ、私は来れただけでうれしいです」
ア「そうだ、今日の勉強で分からないところがあったの」
セ「どこ?」
ア「ここなんだけど・・・」
べ「すごいです、すごいです」
セ「え?」
べ「こんなに難しいお勉強なさるなんて、すごいです」
セ「まあ!でもベッキー、あなたも少しずつ、字が書けるようになってきたでしょう?」
ア「そうなの、ベッキー?ねえ、書いて見せて!」
べ「恥ずかしいです、そんな・・・」
といいながらも、ベッキーがセーラの石盤にチョークを置いたその時だった。
ドアが重々しく開き、怒りの形相の院長がたっていた。
一瞬、空気が凍りついた。
べ「申し訳ないです!」
セ「ベッキー・・・」
べ「私が、セーラさまのお部屋を見てみたいといったからでございますです!お許しくださ  い!!」
ア「私もいけないんです!セーラのお部屋に前来た時、あんまり美しくて・・・」
セ「アーメンガード・・・」
院「ベッキー!あなたは屋根裏に戻りなさい!そして、明日の食事は、すべて抜きです!アー  メンガード!あなたは朝食抜きです!さっさと部屋に戻りなさい」
ア「はい、院長先生」
べ「はい」
泣き顔で2人が出て行ったとき、初めてセーラは崩れ落ちた。
セ「元は・・・元は、私が2人を呼んだんです。私が・・・だから、ふ、2人が罰を受けないよう  にしていただけませんか」
院「そうするわけにも行かないのですよ、セーラさん」
そう言うと、院長は出て行った。

セーラは不思議だった。2人は罰を受けた。でもどうして、セーラにはないのだろう。どうして、セーラには声を荒げないのだろう。
『それはあなたがお金持ちだからよ』
ラビニアの声が聞こえた気がした。
               <fin>
 
    (丘田けん) マーブル様、ご投稿ありがとうございます。
本編と設定が逆転するお話は、考察がなかなか難しいかと
思いますが、貴方の作品は第13話以前のセーラ嬢の華麗さを
見事に引き継いでおられますね。
アニメもしくは絵本を見ているような感覚で楽しませて
いただきました。
ラストのラビニアの声。物語を締めくくるに、最高の演出です。
 
 
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